看護師を職業とする女性が家庭を持った時の環境は大きく変わってきたと言える。
かつては、主婦の顔と看護師の顔という二つの顔を持ち、精神的にも肉体的にも孤軍奮闘の毎日だった。
病院という職場は、病床を多く持っていれば24時間営業である。
一年を休みなく活動するため、働く人たちはシフト制を組んで業務をしている。
そのため、勤める時間が不規則になり、朝出勤もあれば夜出勤という日もあるだろう。
一日の労働時間は8時間ではなく、翌朝まで続く夜勤もあるのだ。
独身のうちは体力もあり独り身の自由な環境だったが、所帯を持つとそうはいかない。
仕事と家庭を両立させようと孤軍奮闘をすると、体力も精神も限界を超えてしまう。
そのために、子どもが産まれると子育てが終わるまでは主婦に専念しようと辞表を出す人が多かったのである。
しかし、時代は大きく変わっている。
その一つが、看護師の定着率を高めるために、病院の厚生施設に院内保育所を設定するところが増えてきたことである。
病院内に子どもを預けられるのであれば看護師は仕事に専念できる。
病院も辞表がでるたびに求人を募集しなければならず、このアイディアは一石二鳥となった。
もう一つは、夫である男性の考えが変わったことである。
昔は、男は家庭の大黒柱であったが一本の柱では豊かな生活が難しくなってきたのだ。
更に、いつ会社に不景気風が吹くとも限らないとの不安があるため、勤めを続けてもらいたいと考える人が増えてきた。
男女平等という国の制度が少しづつ実現されてきたとも言えるだろう。
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